北海道に移るなら、まず悩むのが「どの街に住むか」。
同じ北海道とひとくくりに言っても、札幌・函館・帯広・旭川では、“気候・仕事・移動ストレス”がまったく違います。
この記事は、公式統計や一次情報を土台に、口コミや体験談の「温度」を重ねて、4都市の“等身大の比較軸”を整理します。
家賃や人口といった静的なデータだけでなく、フリーランスやリモートワーカーが気になる「冬のコスト・移動のしやすさ・仕事の探しやすさ」までを、行動に直結するチェックリストに落とし込みました。
結論はひとつ。「あなたの働き方と冬の耐性」に合う街を選べば、北海道暮らしはグッと現実的になります。
車掌ツヨシムムッ!今日の停車駅は“都市別比較の決定版”ですな!



そだね〜、データと体感の“温度差”も一緒に見ていくっしょ
移住準備のすべてをまとめた入門ガイド。→ 👉 【北海道移住ガイド】失敗しないための準備リストと基礎知識を完全網羅
4都市比較の前に、まずは北海道移住全体のメリット・デメリットを整理しておきましょう。→ 👉 北海道移住のメリット・デメリット完全整理|データ×リアル体験で見える“ほんとうの北海道”
4都市の「いま」と移住の課題
北海道移住を考えたとき、私たちはつい「家賃の安さ」や「自然の豊かさ」といった表面的な情報に目を奪われがちです。
しかし、実際に暮らし始めると、データでは見えなかった「リアル」が顔を出します。
現状と背景:札幌集中と各都市の個性
北海道全体の人口は減少傾向にありますが、札幌市とその周辺への人口集中は続いています。
札幌市: 公共交通、医療、教育、商業施設が圧倒的に充実しており、車なしでの生活も十分に可能です。フリーランス向けのコワーキングスペースやコミュニティも多く、都市機能は東京や大阪と比べても遜色ありません。
函館市・旭川市・帯広市: これらの都市は、札幌ほどの規模はないものの、それぞれの地域ブロック(道南・道北・道東)の中核を担っています。家賃や生活密度の“ゆるさ”が魅力で、自然との距離が近いのが特徴。住まいの広さや静けさを得やすい環境です。
気候の面では、内陸(旭川・帯広)ほど寒暖差が大きく、冬の冷え込みが厳しいのが特徴です。
一方、日本海側(札幌)は降雪が多く、函館は道内では比較的温暖で降雪も少なめ。「冬の過ごし方」が、街選びを大きく左右するのです。
よくある誤解・盲点
移住相談でよく聞く「思い込み」と、その「現実」を見てみましょう。
- 誤解1:「北海道はどこも同じくらい寒い」
- 現実: まったく違います。内陸の旭川や帯広は、放射冷却が強い日には-20℃近くまで冷え込みます。一方、函館は比較的温暖です。「寒さ(気温)」と「雪(降雪量)」は別物として考える必要があります。
- 誤解2:「家賃だけ見れば生活費は安い」
- 現実: 家賃の安さを帳消しにするほどの「冬コスト」が存在します。灯油・電気代といった光熱費、車の冬タイヤ代、除雪用具費、そして交通費や移動時間も“隠れコスト”として重くのしかかります。
- 誤解3:「仕事は札幌以外だと少ない」
- 現実: 地元の求人(地場産業)には偏りがありますが、リモートワークやフリーランスであれば、4都市どこでも仕事は成立しやすくなっています。むしろ、生活コストを抑えられる地方都市の方が、フリーランスの拠点として自由度が上がる側面もあります。
北海道の「寒さ」と「雪」について、気候のリアルな実情と対策を深掘りします。→ 👉 北海道移住の気候ギャップ対策|札幌・函館・釧路の四季とフリーランスの暮らし方
移住者が抱きやすい疑問
この記事では、こうしたリアルな疑問に答えていきます。
- 車なしで暮らせるのは、本当に札幌だけ?
- 雪が少ないのは函館と聞くけど、通年の生活は快適?
- 帯広や旭川の、仕事の探しやすさや医療アクセスは実際どうなの?
- フリーランス目線で“冬のキャッシュアウト(支出)”は、都市によってどれくらい違う?



ムムッ!数字より体感が大事ですな!



そだね〜、暮らしてみないとわからない“冷え方”があるっしょ〜
データと口コミで見る4都市のリアル


机上の空論で終わらせないために、公的なデータと、SNSや現地で聞かれる「生の声」を組み合わせて分析します。
公式データ・統計から見る客観的な差
北海道といっても、地域によって気候は大きく異なります。「寒さ」と「雪」は別物で、どちらが生活に影響するかは住む場所次第です。ここでは代表的な3つのタイプを見ていきましょう。
内陸型の気候:旭川・帯広
気象庁のデータによると、これらの都市は年間の寒暖差が非常に大きいのが特徴です。旭川は1902年に-41℃という日本最低気温を記録しています。
冬場は-10℃を下回る日も多く、北海道弁でいう「しばれる」寒さを体験できます。
降雪については、旭川の年間平均値は557cmで、北海道主要4都市でもっとも多い数値です。内陸部独特の気候がもたらす乾燥したサラサラなパウダースノーが特徴で、雪質は極めて良好です。
帯広も内陸性気候の典型で、年平均気温7.2℃、冬の1月は平均-6.9℃(日最低-13.0℃)、夏の8月は平均20.3℃(日最高25.4℃)と寒暖差が約27℃に達します。1902年には-38.2℃を記録し、これは旭川に次ぐ日本観測史上第2位の低温記録です。
年間降雪量は198cm(1991〜2020年平年値)と旭川より少なく、『十勝晴れ』と呼ばれる冬の晴天により年間日照時間は2,020時間と全国トップクラス。
雪は少ないものの、厳冬期は-30℃以下まで冷え込む日もあり、内陸部特有の『しばれる』寒さは健在です。
特徴:極寒+良質なパウダースノー(降雪量は実は多い)
日本海側型の気候:札幌
人口100万人以上の大都市で年間降雪量500cmを超えるのは世界で札幌だけとされており、世界有数の豪雪都市と言えます。札幌の年間平均降雪量は479cm(1991-2020年平均)です。
気温は旭川ほど下がりませんが、日本海の存在により大量の雪が降るのが特徴です。
札幌市の雪対策の年間予算は2025年度で約285億円(過去最大規模)となっており、除雪車の整備費や人件費の高騰により年々増加しています。
出典:除雪費は過去最大となるおよそ285億円 札幌市が今年度の雪対策を発表(STVニュース)
降雪量が10cmを超えると道路の除雪作業が行われます。このため、日々の「除雪」が生活の中で重要なタスクとなります。
特徴:気温はマイルド+世界有数の大雪都市
太平洋側型の気候:函館
冬季(1月)は平均気温-3度前後。比較的温暖で、積雪量も多くなく、道内ではとりわけ過ごしやすい気候です。
出典:気象庁
函館は12月から2月にかけてほぼ毎日のように雪が降りますが、札幌や旭川と比較すると降雪量は少なめです。北海道らしい厳しさは控えめといえるでしょう。
特徴:北海道では温暖で雪も少ない
街選びのポイント
自分が「寒さ(低温)」に弱いのか、「雪(降雪・除雪)」に弱いのかを自覚することが重要です。
- 極寒に耐えられる方は → 旭川・帯広(ただし降雪量も多い)
- 大雪と除雪作業に対応できる方は → 札幌
- 北海道の中で比較的過ごしやすい環境を求める方は → 函館
この違いを理解することが、北海道での住む街を選ぶ第一歩となります。
SNS・口コミ・現地の声
数字やデータには現れない、実際に住んでいる人たちのリアルな声をまとめました。各都市の個性や特徴を知ることで、自分に合った街選びの参考にしてください。
札幌|バランス型都市
北海道の中心地として、都市機能と自然のバランスが取れた街。公共交通機関が発達しており、車がなくても生活できる利便性が魅力です。
◎ 良い点
- 地下鉄・バスが充実し、車なしでも生活が完結
- 医療機関や商業施設の選択肢が豊富で困らない
- コワーキングスペースが多く、フリーランスも働きやすい
△ 注意点
- 家賃・物価は道内で最も高い水準
- 朝夕の通勤ラッシュや渋滞は都市部並み
- 積雪量が中途半端で、除雪作業の負担が意外と大きい
都市の利便性を求めるなら最適。ただし生活コストは覚悟が必要。
函館|ロマンと現実の街
歴史的な街並みと海の景観が美しく、観光地としても人気。札幌ほど雪が降らず、冬の生活が比較的ラクなのも特徴です。
◎ 良い点
- 札幌より家賃が安く、広い部屋に住める
- 積雪が少なく、冬の運転が比較的ラク
- 歴史的建造物や海が身近で、生活の質が向上する
△ 注意点
- 仕事は観光・水産関連に偏りがち
- 坂道が多く、冬は路面凍結に注意
- 札幌や新千歳空港まで距離がある
景観の美しさと住みやすさを両立したい人向け。ただし仕事の選択肢は限られる。
旭川|道北の医療拠点
北海道第二の都市として、医療や商業が充実。大雪山系の自然に囲まれ、アウトドア好きには最高の立地です。
◎ 良い点
- 家賃が手頃で、生活コストを抑えやすい
- 医療体制が充実し、大規模病院が多く安心
- 大雪山系など、雄大な自然へのアクセスが抜群
△ 注意点
- 冬の寒さが極めて厳しい(-20℃以下になることも)
- 厳寒×豪雪のダブルパンチ
- 除雪や暖房費の負担が大きい
生活コストを抑えつつ、自然を楽しみたい人向け。ただし冬の厳しさは覚悟が必要。
帯広|食と晴天の十勝
「十勝晴れ」と呼ばれる晴天率の高さと、新鮮な食材に恵まれた街。移住支援も充実しており、地域コミュニティに溶け込みやすいのが魅力です。
◎ 良い点
- 「十勝晴れ」と呼ばれるほど晴天率が高い
- 食材が新鮮で圧倒的に美味しい(食の宝庫)
- 移住支援が手厚く、コミュニティに入りやすい
△ 注意点
- 完全な車社会で、冬道運転スキルは必須
- 札幌へのアクセスは他都市より時間がかかる
- 冬の冷え込みは旭川に匹敵する厳しさ
食と自然を楽しみたい人、コミュニティ重視の人向け。車の運転は避けられない。
まとめ
それぞれの都市に明確な個性があります。都市の利便性を取るか、自然や食を優先するか、生活コストを重視するか。自分のライフスタイルや優先順位に合わせて選ぶことが、北海道移住成功の鍵です。
データと実感のギャップ
この「データ」と「実感」のズレこそが、移住の成否を分けます。
- “寒さ”と“雪”は別物
- 最低気温が低い街(旭川・帯広)でも、降雪が少なければ除雪の負担は軽いです。逆に、気温がやや高くても降雪が多い(札幌)と、日々の雪かきや交通遅延がストレスになります。
- 交通は「時間コスト」
- 家賃が月1万円安くても、移動が増えればガソリン代や交通費で相殺されます。フリーランスにとって、移動時間はそのまま「機会損失」にもつながります。
- 仕事の「地場性」と「リモート」
- 地元の雇用(正社員)を探すとなると、産業の偏りが影響します。しかし、リモート案件や副業を組み合わせるフリーランスなら、都市選びの自由度は急上昇します。「どこでも働ける」強みを活かせます。



フムフム、口コミは生データの宝庫ですな!



そだね〜、“感じ方”もリアルの一部っしょ〜
あなたに合う街は?行動ステップと提案
では、膨大な情報の中から「自分に合う街」をどう選べばよいでしょうか。フリーランス移住者向けの「実践ステップ」を提案します。
ステップ1:自分診断(15分)
まずは自分の「耐性」と「優先順位」を知ることから。
| 設問 | あなたの傾向(選択肢) | おすすめ都市 | 判断ポイント |
|---|---|---|---|
| Q1. 寒さと雪、どちらがより苦手? | 寒いのは平気だが雪かきは嫌 | 函館・帯広 | 函館は道内で降雪少なめ/帯広は晴天多めで雪処理が比較的ラクな日も。ただし帯広は冷え込みが強いので防寒必須。 |
| 雪景色は好きだが底冷えは無理 | 札幌 | 札幌は沿岸寄りで内陸より極端な冷え込みは少なめ。ただし降雪は多めで除雪・交通遅延の備えが必要。 | |
| Q2. 車の運転(特に冬道)は得意? 必須? | 絶対に運転したくない | 札幌一択 | 地下鉄・JR・バスが充実。車なし生活可。 |
| 運転はするが冬道は不安 | 函館 | 相対的に雪が少なく路面状況が安定しやすい。練習・スタッドレス・時間に余裕を。 | |
| 運転が好き/問題ない | 帯広・旭川 | 広域移動が多い車社会。帯広は走りやすい晴天が多め、旭川は積雪・冷え込み強めで冬道スキル必須。 | |
| Q3. 仕事は地元就業? リモート? | 地元で交流や就職もしたい | 札幌 | 業種の多様性・求人数・交流機会が最大。オフラインの学習会・コミュニティも豊富。 |
| 完全にリモート | どの都市でもOK | 住環境重視で選択可。通信環境・暖房効率・日照を内見で確認。ライフスタイル優先で最適化。 |
ご自身のタイプ(寒さ耐性・仕事)が北海道に合うか、客観的に診断してみませんか?→ 👉 北海道移住に向いている人・向いていない人チェックリスト|性格・仕事・気候適応からAI診断
ステップ2:候補の一次絞り込み
診断結果をもとに、4都市の強みを当てはめます。
- 札幌: 車なし生活 × 都市機能重視。フリーランス仲間や情報も多い。
- 旭川: 家賃と生活コストのバランス × 医療の安心感。静かな環境で制作に集中したい人向け。
- 函館: 雪少なめ × 居住空間の広さ。歴史や文化的な刺激を求める人向け。
- 帯広: 自然(晴天)× 食の豊かさ。アクティブなライフスタイルと仕事を両立したい人向け。
ステップ3:“冬のお試し移住”(最重要)
最重要ステップです。必ず、観光客が少ない1月〜2月の厳冬期に、最低でも5〜7日滞在してください。
- 早朝と夜の外気温、路面の凍結具合を体験する。
- スーパーへの買い物、市役所、病院など、生活ルートを実際に歩いたり、車で走ったりする。
- 可能なら「2段階移住」(まず札幌に住み、そこを拠点に他の都市を試す)も、失敗の段差を小さくする賢い方法です。
記事でも推奨した「お試し移住」の具体的な方法や、自治体の支援制度はこちら。→ 👉 旅行を“移住準備”に変える方法|北海道移住の前に、短期間滞在して「暮らし」を試そう
ステップ4:住まいと光熱費の「冬試算」
- 家賃だけでなく、家賃+灯油代(暖房費)+電気代を“冬のピーク月”で見積もりましょう。
- 在宅フリーランスは暖房時間が長くなるため、光熱費は会社員より高くなります。
- 内見時は、日照(冬の日当たり)、断熱性能(窓が二重か)、結露の跡を必ずチェックしてください。
ステップ5:移動設計(フリーランスの生命線)
- 自分にとっての「幹線」を決めます。東京への出張が多いなら空港アクセス、道内移動が多いならJR特急や高速バスの利便性。
- 月あたりの移動回数 × 所要時間で、どの都市が最も効率的か(ストレスが少ないか)をシミュレーションします。
生活・仕事の工夫(移住後)
- 暖房効率: 賃貸物件は断熱性能や窓でランニングコストが激変します。厚手のカーテン、内窓の設置、加湿器の活用で、体感温度を底上げしましょう。
- 除雪動線: 玄関前、駐車場、通勤・通学路の“自分の守備範囲”を決め、スコップ、スノーダンプ、融雪剤などの「七つ道具」を移住初月で揃えること。
- 働き方: 札幌はコワーキングスペースが豊富。地方都市では、自宅+図書館+ホテルのラウンジなどを組み合わせるハイブリッド運用が快適です。オンライン案件を常に確保しておくことで、地場の産業構造に左右されない働き方を確立できます。
マインドセット・継続法
- 「冬を理由に挫折しない計画」を立てる: 週1回は屋内施設で運動する、朝日を浴びる、灯油は早めに補充するなど、冬を“乗り切る”ための仕組みづくりが重要です。
- “比べない暮らし”を意識する: 都会と比べて不便なことを数えるより、北海道で得た価値(面積、静けさ、景色、食)に目を向けましょう。
- 地域参加は小さく始める: 地域の清掃活動、収穫体験、図書館のイベントなど、季節の行事がコミュニティへのソフトな入り口になります。



ズコー!準備だけで1ヶ月かかってましたな!



そだね〜、焦らず一歩ずつ進むっしょ〜
今日の旅の記録
4都市の比較を通じて見えてきたのは、「完璧な街はない」という事実と、「自分に合う街は必ずある」という希望でした。
- 街の得意・不得意を見極める: 札幌(車なし&都市機能)、旭川(家賃&医療)、函館(雪少なめ&居住広め)、帯広(晴天&食と自然)。
- 冬の固定費と移動コストを見える化する: 家賃の安さは、灯油・電気・除雪・移動時間で簡単に逆転します。
- お試し移住&2段階移住で失敗の段差を小さくする: 1〜2月の実地体験こそが、“後悔回避”の最短ルートです。



ムムッ!今日も学びが多かったですな!



そだね〜、次の停車駅でもリアルを見に行くっしょ〜
編集後記
北海道は、その“広さ”が暮らしの設計図そのものを変えてしまう場所です。
データは、私たちが進むべき道を照らす「道標」。
そして体感は、その道のリアルな温度を測る「温度計」。
どの街にも、美しい点と、少し手間がかかる点があります。
その「折り合い」を自分の中でつけたときに、初めて“自分だけの北海道”が立ち上がるのです。
次は、あなたの働き方と、冬の耐性にいちばん正直な街で。
北海道行き列車は、次の停車駅へ向かいます。
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