「南海トラフ地震が怖いから北海道へ」
──フリーランスとして働く方々から、そんな声を最近よく聞きます。
たしかに、北海道は南海トラフ巨大地震の震源域から遠く、本州に比べて津波の心配が少ない地域も多いです。
ですが、「北海道なら、どこでも安全」とは言えません。
2018年には胆振東部地震（最大震度7）が発生し、道内全域が停電（ブラックアウト）に見舞われたことは記憶に新しいですな。
つまり、北海道は“比較的リスクは低いけれど、油断は禁物”な場所。
この記事では、フリーランスとして「仕事を止めない」「暮らしを守る」ために、私たちは何を知っておくべきか。地震に強い地域と住まいの選び方を、データと現地目線でやさしく解説していきます。
車掌ツヨシ「ムムッ！今日の停車駅は“北海道の地震リスク回避移住”ですな！」
エナちゃん「そだね〜、“完全に安全”より“備えながら暮らす”が大事っしょ〜」
移住準備のすべてをまとめた入門ガイド。→ 👉 【北海道移住ガイド】失敗しないための準備リストと基礎知識を完全網羅
【地震】北海道の現状と課題
北海道は安全？それとも危険？
まず知っておきたいのは、北海道の「地震リスクの地域差」です。
北海道は非常に広大で、場所によって地盤の強さや想定されるリスクが全く異なります。
大きなポイントとして、内陸部（旭川・富良野・美瑛など）は地盤が比較的安定しており、海からも遠いため、津波の心配はほとんどありません。
一方で、地震がまったくないわけではありません。
2018年の胆振東部地震のように、内陸の直下型地震によって強い揺れが起きる可能性は常にあります。
フリーランスにとって怖いのは、「揺れ」そのものよりも、それによって引き起こされる「停電」や「通信障害」。仕事がストップしてしまうことが最大のリスクです。
よくある誤解
北海道移住を考える際、地震に関してよくある「思い込み」や「誤解」がいくつかあります。
誤解1：「北海道は地震がない」→ ×
実際には、道東の太平洋側（釧路・根室沖）や、胆振地方などで地震活動が活発な地域もあります。
誤解2：「津波が来ない＝安全」→ ×
津波リスクが低い内陸部でも、地盤がやわらかい地域では揺れが大きくなったり、「液状化」によって家が傾くリスクがあります。フリーランスの「自宅兼オフィス」が被害を受ければ、事業継続は困難です。
誤解3：「市ごとの安全ランキング」→ △
「札幌市は安全」「旭川市は安全」といった“市単位”のランキングは、あまり意味がありません。
同じ札幌市内でも、地盤が強固な丘の上と、昔の川筋にあたる低地とでは、地盤の強さが全く違うことがあるからです。
車掌ツヨシ「フムフム。つまり、ハザードマップの“色”だけ見て移住先を決めるのは危険ですな！」
エナちゃん「そだね〜。同じ札幌市でも、地面の“性格”は全然違うっしょ〜」
こうしたリスクへの備え不足は、移住の「後悔」に直結します。よくある失敗パターンはこちら。→ 👉 北海道移住で失敗する人の共通点5つ｜SNS・ブログ事例とデータで見る後悔しない対策
移住希望者の疑問
この記事を読んでいるあなたが知りたいのは、きっとこういうことでしょう。
- 結局、北海道のどのあたりが「地震に強い地域」なの？
- 札幌に移住したいけど、その中でも安全なエリアはある？
- フリーランスとして、万が一の時に仕事を止めないための備えは？
これらの疑問を、次の章でデータと現地の声から深掘りしていきます。
データと現地の声
公式データから見える特徴
まずは「理屈」から。公的なデータを見てみましょう。
防災科学技術研究所（J-SHIS）および地震調査研究推進本部のデータによると、北海道の地震活動は、やはり道東の海沿い（釧路・根室地方）で活発な傾向があります。
一方で、内陸部は比較的、地震の発生確率が低いとされています。
特に旭川・東川・東神楽などの上川盆地では、比較的地盤が安定している地域が多い一方、旧河川沿いや低地部では揺れや液状化に注意が必要です。
人気の札幌市ではどうでしょうか。
札幌も広大ですが、比較的地盤が強いとされているのは、南区や西区などの山に近い地域。逆に、豊平川沿いや低地、昔の湿地を埋め立てた地域は注意が必要とされています。
出典：北海道庁 地震・津波情報
移住者や現地の声
次に「感性」や「リアル」な声。データだけでは見えない部分です。
移住体験ブログや自治体アンケートによると、胆振東部地震の際、「内陸の町（旭川など）は停電が短くて助かった」「地盤が強くてほとんど揺れを感じなかった」という報告もあります。
逆に、「川沿いの家は液状化で地面が沈んだ」「埋立地は揺れがひどかった」という声も。
フリーランスにとって、停電の時間は死活問題。
「どの町に住むか」で、被災後の復旧スピード＝仕事への復帰スピードが変わってくるということです。
地元の人の口コミは、数字だけでは見えない“体感データ”。
移住先を決める前に、不動産会社や自治体の防災担当者に「このあたり、昔はどんな土地でした？」「地盤は強いですか？」と聞いてみるのが非常に重要です。
データと実感の違い
僕、ツヨシはデータ分析が大好きですが、防災に関してはデータと実感の「ズレ」にこそ注意が必要です。
地図上で「安全」とされる場所でも、部分的に盛土（もりど）や埋立地であった場合、周囲より揺れが大きくなることがあります。
逆に、「地震が起きた地域」と報道されていても、その中でも台地や丘の上など、地盤が強固な場所では揺れが少なかったケースも多々あります。
つまり、「地図（データ）で大まかなエリアを絞り込む → 現地で自分の足で地形を確認する」というステップが、リスク回避の鉄則ですな。
車掌ツヨシ「ムムッ！地図上では安全評価Aランク！ここに決め打ちですな！ピューン！」
エナちゃん「ツヨシさん、そこ昔は川だったかもっしょ〜。自分の足で歩くのが一番だね〜」
地震リスクを踏まえた上で、主要4都市（札幌・函館・帯広・旭川）の住みやすさを比較したガイドはこちら。→ 👉 北海道4大都市比較ガイド｜札幌・函館・帯広・旭川、フリーランス移住の最適解は？
北海道への安心移住：実践ステップ
では、フリーランスが北海道で「安心」をつくるために、具体的にどう動けばいいのでしょうか。
地震リスクを減らす住まい選び
最重要項目は「住む場所」です。
津波エリアを避ける大前提として、海岸から遠い「内陸」を選びましょう。旭川、富良野、東川、札幌なら南区などが人気の候補地です。
地盤マップをチェック
移住候補地の自治体ホームページで、「液状化マップ」や「地盤図（ハザードマップ）」を必ず確認します。色が塗られている場所は、理由を調べる必要があります。
現地で地形を観察
「丘の上」「台地」「段差のある地形」は、地盤が強いことが多いです。逆に、川沿いや湿地を示す地名（～沢、～沼、～谷地など）の低地は注意が必要です。
建物の強さも確認
土地だけでなく「建物」も重要。築年数、耐震等級（新耐震基準は最低ライン）、地盤改良の有無を不動産会社にしっかり確認します。自宅オフィスを守る投資です。
停電・通信への備え
どんなに安全な場所でも、停電や通信障害のリスクはゼロではありません。特に冬季の停電は命に関わるため、カセットガスストーブやポータブル電源といった個人レベルの備えに加え、最近は可搬型蓄電池やハイブリッド蓄電システムの活用も進んでいます。
ハザードマップや地盤の確認は、現地での「お試し移住」中に行うのが最も確実です。→ 👉 旅行を“移住準備”に変える方法｜北海道移住の前に、短期間滞在して「暮らし」を試そう
フリーランスに必要な“地震BCP”
BCP（事業継続計画）というと難しく聞こえますが、要は「仕事を止めない準備」のこと。
これは会社員以上にフリーランスに必要です。
- データはすべてクラウド保存PCが壊れても仕事が続けられるよう、原稿・請求書・顧客データはすべてGoogle DriveやDropboxなどに常時同期します。
- 通信を二重化する自宅の「光回線」が止まった時のために、「スマホのテザリング（別キャリア推奨）」や「ポケットWi-Fi」など、予備の通信手段を必ず確保します。
- 電源を確保する数日間の停電でもPCやスマホを充電できる「大容量ポータブル電源」や「モバイルバッテリー」は、北海道フリーランスの必需品です。
- オフライン作業の準備万が一ネットが全滅しても動けるよう、重要な原稿や顧客の連絡先リストは、紙やローカルファイルにも控えておくと安心です。
車掌ツヨシ「ズコー！非常用グッズだけでリュック3つ分になってしまいましたな！」
エナちゃん「そだね〜、でも“心の余裕”も大切な非常食っしょ〜」
特に冬の停電（ブラックアウト）は深刻です。北海道の厳しい気候と、その対策についてはこちら。→ 👉 北海道移住の気候ギャップ対策｜札幌・函館・釧路の四季とフリーランスの暮らし方
心の持ち方
「絶対安全」はないけれど、「被害を小さくする」ことはできる。：リスクをゼロにするのは不可能です。でも、住む場所と備えによって、リスクを最小限に抑えることはできます。
住む場所と暮らし方で、安心のレベルは自分で選べる。：どこまで備えるか、どこに住むか。フリーランスは、その選択も自己責任であり、自由でもあります。
“備えすぎ”くらいがちょうどいい。：特にフリーランスは「備え」がそのまま「信用」と「収入」に直結します。“ちょっとやりすぎかな？”と思うくらいが、本当の安心につながります。
今日の旅の記録
北海道移住における地震リスクについて、旅の記録をまとめます。
- 北海道は南海トラフ地震の津波からは離れているが、油断は禁物。内陸直下型地震には注意が必要。
- 旭川・東川・札幌南区などの「内陸エリア」かつ「（比較的）強固な地盤」は、リスクが低い傾向にある。
- フリーランスは「インフラが止まっても仕事を止めない備え（BCP）」が、最大の安心材料になる。
車掌ツヨシ「ムムッ！今日も学びが多かったですな！」
エナちゃん「そだね〜、“備えながら暮らす”がいちばん北海道らしいっしょ〜」
編集後記
北海道を取材していて感じるのは、「地面にも性格がある」ということです。
固い地盤に守られた安心感のある町もあれば、かつて川だった低地を人の工夫で暮らしやすくした町もある。
どちらも“暮らす力”が試される場所で、ハザードマップという数字の裏に、たくさんの人の物語があります。
「絶対安全な場所」を探す旅は、きっと、最終的に「自分らしい安心の形」を見つける旅なんだと思いますな。
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